帰国子女中学受験の奮闘記

〜2025帰国子女中学受験備忘録〜

エッセイを書く力

子供のエッセイに取り組んでいる姿をみて思うのですが、「書く」というのは小さい頃からの積み重ねが大切だなぁと気づかされます。

 

帰国枠の筆記試験では点差がつかずエッセイで点差が開くらしいのでエッセイ力がとても大切と聞いています。そのエッセイで、いかにユニークでオリジナリティのある個性を引き立てるような内容が書けるかが大切なんでしょうけれど、これは数か月や1年ちょっとで書き上げられるものじゃないなと思いました。まずは発想の源となる「自由に」書くことに慣れているというベースが重要に感じました。

 

この自由に個性的にユニークに「書く」ベースを身に付けるには思考を柔軟にさせる必要があのではないでしょうか。

 

赴任先での経験を少し書いてみたいと思います。

 

アメリカ系インターナショナルスクールに通っていたのですが、その時にWriting指導が日本人の持っている感覚と少し違うなと思った経験がありました。子供がESLの授業で書く英語の内容がどうもめちゃくちゃな気がしてたので、ある時先生に指導をお願いできないか問い合わせをしました。例えば正しくスペリングができるようになる指導や起承転結がある文章構成を教えてもらえないか等々です。普通の大人なら当たり前に思いつく内容じゃないですか?

けれども返ってきた返事は「スペリングや文章構成は時間が経てば解消される問題なので、今すぐに指摘することではありません。私たちはむしろ子供がどんなメッセージ性を持って書いているかに着目しています」とのこと。

私は正確性に意識がいきがちだったので先生のこの以外な返事に少し面喰いましたが、今ならこの言葉の意味がよく分かります。

 

因みに、これがアメリカ式のやり方だと思うのですが、近くのBritish系の学校は面白い事に考え方が少し違うようで、発想力よりは正確性を重視する傾向があるようです。そして、このアメリカ式を好まない家庭はBritish系に転校し、British系が好まない家庭はアメリカ式の学校に転校するというのをチラホラ見かけました。日本はBritish系に少し近いかもしれません。

 

下の子供がKAで書くwriting の宿題に文法やスペリングなどの訂正がないのでもどかしい気持ちはありましたが、これは自由に書かせようとしているんだなと昔先生に言われたことを思い出したので納得はしました。

 

文を正しく書こうという考え方に支配されるのではなく、思考をもっと自由に柔軟にして「書ける」ようにすることは、ユニークな発想力で豊かなエッセイを書く練習につながっていて、それはもうすでに小さい頃から始まっていたんですね。

 

因みに、赴任先の学校行事のことですが、「エッセイ週間」なるものがありました。授業参観で子供たちが書いたエッセイを披露するというもので、私は参加したのですが何と、子供たちが書いた文章を読むと何が書いているのかさっぱり分かりません。何故ならスペリングがメチャクチャだからです。英語が第2言語の私には読むのに苦労します。生徒が書いた文章を目で追うよりも、読み上げてくれる内容を聞いた方が逆に理解できました。ESLの子供たちではないのにこのレベルです。でも不思議なことにこれが学年が上がると共に自然と解消されてきちんと書けるようになるんですよね。時間が解決しているので流石です。

 

とはいえ、受験英語となるとこうはいかず、正確性も求められるのでKAでもさすがに6年生になると添削が入ります。むしろこの1年で習得可能な内容であり、エッセイの質を上げるのは早い段階からが有利ということかもしれません。

 

子供の中学受験ですが、なかなか奥が深いですね。大人の私もいい勉強をさせてもらってます。